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自分でできる疾病対策2


〇肩こり、首のこり

 肩こり、首のこりも筋肉の疲労で姿勢が悪くなることでおこる症状ですが、どのような条件があると起こるのでしょうか。

〈肩こり・首のこりが発生する原因〉

1 上肢の運動疲労によるもの

  腕の運動疲労といっても伸縮運動をおこなっている状況では肩こりは感じにくく、どちらかといえば労働的な運動を行うと肩こりを感じ易くなります。特に指先を酷使させ腕の伸縮運動の少ない作業の労働やパソコンなどをよく扱うような仕事を行う方です。関節の伸縮運動が少ないために腕の深筋を疲労させるため頸椎神経を緊張させてしまい、肩こりから首のこりへと変わっていきます。

2 姿勢の悪さ

姿勢が悪くなると僧帽筋起立筋広背筋を緊張させて姿勢を安定させようとします。この筋肉が慢性的に緊張し続けると背筋のこりから肩こりとなります。

3 顎関節の異常から

顎関節に異常のある方は肩こりだけではなく多くの疾病を生みだします。

噛み合わせが悪いと胸鎖乳突筋を緊張し、頸椎を傾斜させます。傾斜による首の圧迫で肩こりを感じるようになります。

4 その他の原因

内臓の病気から

 内臓の病気は、関連痛(神経の混戦で、病気の部位とは離れたところにあらわれる痛み)として、肩こりをおこすことがあります。特に、慢性化した内臓病は自覚症状に乏しい傾向があり、肩こりが唯一の警報である場合もあります。

頸椎の異常から

 頸椎の異常または頸椎の老化のよっておきる変形性頸椎症、変形性椎間関節症などでおこります。または胸郭出口症候群などによっても肩こりを感じます。

〈対 策〉

対策法としては@温熱法 A指圧・マッサージ Bストレッチ体操があげられます。

@の温熱法は首筋から僧帽筋の範囲にかけて市販の温熱のシップ薬や貼るカイロを貼って温めます。直接地肌に貼る温熱シップ薬は低温火傷をおこす恐れがありますので、衣服の上からカイロを貼って、じっくりと温めていくほうがよいと思います。

Aのマッサージで注意することは力を入れて揉まないようにすることです。力ずくで筋肉を揉んでしまうと逆に筋肉が硬くなり、炎症をおこして痛みに変わります。一般の方が安全に行うには、首筋から肩にかけて、ゆっくりと擦るようにして血流とリンパの流を良くしていきます。

Bストレッチ体操の方法は頭を前後左右に倒し、首筋を伸ばします。マッサージ同様に力を入れて行わずに、首筋がゆっくり気持ちがいい程度に伸ばしていくようにします。また腕を動かさず、肩甲骨を意識して肩を後方に回して筋肉を和らげる体操も効果があります。コツは肩を回すというよりも肩甲骨を動かすことを意識して行うことです。

〈治療の目安〉

対策法を行っていても緩和されず首や背中のこりや張りを感じるようであれば、姿勢に歪みがあると思われますので整復が必要です。


〇頭 痛

頭痛といっても原因は多種多様で、分類することは容易ではありません。ここでは脳腫瘍や脳出血などの脳自体におきる疾患が原因の頭痛を対象とせずに、首筋や頭筋の緊張によっておこる頭痛を対象とします

〈頭痛となる原因〉

頭蓋骨の外側はうすい頭皮、頭筋、筋膜、血管、骨膜によって構成されており、筋肉の収縮や伸展は少ないところです。しかし頭筋の一部である顔面筋(表情筋)や咀嚼筋は頭蓋骨に付着しています。また頭部を動かす頸部の筋肉である胸鎖乳突筋、肩を動かす僧帽筋、脊柱を後方にまげる脊柱起立筋の一部である最長筋などや後頭下筋はすべて頭蓋骨に起始または付着しています。これらの筋肉が疲労によって異常な収縮状態がおきると頭痛の原因になることが多いのです。

〈痛みの種類〉

1 偏頭痛のような片側にだけおきるもの

 ・ 顎を動かす筋肉や咀嚼筋と頭を動かす僧帽筋と胸鎖乳突筋の緊張があると考えられます。

 ・ 頭部の筋肉を緊張させてしまう原因として足首に異常があるかもしれません。例えば、過去に足首を捻挫し、腫れはなくなったが完全に回復しきらずに放置したために、足関節をつなぐ結合靭帯が悪い状態で拘縮していき、足関節に歪みができ、バランスの悪い状態になります。その歪んだ足で直立歩行などを行うとバランスを安定させるために首、顎の筋肉を緊張させることで自然に体を安定させようと働きます。その緊張した筋肉が慢性的に疲労し続けるようになります。そして足関節からふくらはぎの筋肉が硬くなり、血行不良で足元が冷えているので様々に引き起こされる疾患のひとつとして偏頭痛であらわれることがあるのです。

2 後頭部のあたりが重く感じる

 ・ 僧帽筋、頭板状筋、胸鎖乳突筋の緊張があると考えられます。

   また睡眠不足、またはかぜをひいていることを実感させるため頭痛という形で体にあらわすこともあります。

3 頭全体が重く、頭がスッキリしない

・ 頭部全体の筋肉の疲労と頭蓋骨の歪みがあると考えられます。

4 精神的緊張や更年期障害などのホルモンの異常で自律神経の緊張により脈を打つように頭が痛む場合があります。

〈対 策〉

筋肉の緊張による血行障害をやわらげることを重視し、ここではひとりで出来る対策法を書きます。

・温冷法

熱い蒸しタオルか少し熱湯に近い温度のお湯に浸し固く絞ったタオルを用意します。タオルを首から肩を素肌の上から覆います。タオルが冷たくなればタオルを取り替えます。その行いを3〜5回繰り返せば、ゆっくりとした温冷作用で緊張した筋肉も和らぎ、血流が良くなります。「熱いけれど、気持ちがよい」と感じるぐらいの温度が良いでしょう。

・足 湯

足湯は体の末端から心臓に向かって戻る静脈を温め、全身を中心に暖めることが出来ます。熱い温度(43度ぐらい)のお湯に4〜6分間、足湯をします。お湯に足をつけている時にふくらはぎをマッサージし、発汗を促すようにして下さい。

〈治療の目安〉  痛みが持続している場合


〇腰 痛

〈腰痛の原因〉

私たちは両足にかかる負担を均等な荷重で歩行や走ったりしているわけではありません。必ずといってよいほど、左右の足で違った支え方をしています。どちらか一側は体の平衡を安定させていくために働き、反対側は効率よく動くための運動足として働きます。その足の機能が交互に両足に働くことによって足の筋肉は強化され、そしてその強化は筋肉の疲労を伴います。特に運動足として働いた足は疲労が増加されます。積み重ねにより慢性疲労のおこし、骨盤も疲労足に引き寄せられ転位や腰椎の歪みを生み出します。

また、人体は重力に対して正しい姿勢を保とうとするために、傾斜した骨盤から始まる背骨は垂直を保とうとします。しかし、背骨の下部である仙骨は腸骨と共に骨盤を形成しており、その結合部である仙腸関節はほとんど動きのとれないものなのです。そのため、仙骨も一体としての骨盤として一緒に傾きます。その傾きを補正するために、比較的動きのとれる腰椎が曲がることになります。これが脊柱の補正弯曲です。この補正はさらに上位で補正される場合もありますが、もっとも強調されるのが腰部です。つまり無理な姿勢の中心点が腰部となるため、腰部を支えている筋肉が強い負担を受けて疲労が増して、ついには腰椎間の連結を正しく保てなくなります。

このような経過を得て、腰痛へとなります。

〈内臓の病気よって起こる腰痛〉

 内臓の病気が原因で腰痛をおこすこともあります。

 内臓からくる腰痛は、安静時も痛むのが特徴です。

腎臓病おこる腰痛

重苦しい腰痛とともに、尿の出が悪くなり、排尿時に痛みがあれば、膀胱炎や腎盂炎の疑いがあります。

結石による腰痛

腎盂結石や尿路結石は、血尿と腰の片側の激痛を伴うのが特徴です。痛みは冷や汗をかくほど激しく痛みます。

肝臓病でおこる腰痛

慢性肝炎は、初期にははっきりした症状がなく進行しますが、背中から腰にかけて筋肉が硬くなり、鈍い痛みを起こすこともあります。

婦人病でおこる腰痛

子宮や卵巣、卵管などの病気でも腰に関連痛がおこります。妊娠中は、そり腰のために腰痛もおきやすくなります。

このほかに、胃腸に病気、特に胃炎で腰部の筋肉が硬くなり、腰痛をおこすときもあります。

〈予防法〉

 この予防法は、外見上は運動していないように見えるが、長時間、持続的に、ある特定の姿勢を保持することで支持運動が骨盤にかかり腰部の筋肉に負担を受け、疲労が積み重なっておこる腰痛を指します。例えば、椅子での座位姿勢や立位姿勢が長時間続いたために、腰に痛みはないがだるさや重みを感じている場合です。

あくまでも予防法であって根本治療ではありませんのでご注意ください

 1 軽く叩いてほぐす

 お尻と股関節周りそしてふとももの外側を軽く、まんべんなく叩いてほぐして下さい。叩いてほぐすことで上半身の荷重によっておこった骨盤周辺の筋肉の疲労を緩和します。

 2 温めて血行をよくする

 カイロを貼って殿筋の硬直と血行不良を無くすことで神経性の筋肉の緊張を緩和させます。

 貼る場所は骨盤の中央にある仙骨の位置に一枚を貼り、おしりの山の位置に左右一枚づつ貼ります。

〈治療の目安〉

いつも腰に重みや痛みを感じ、起床や歩行時でもつらい時は治療が必要と思われます。


〇膝 痛

〈ひざの痛みはバランスのくずれ〉

膝の関節は体じゅうで最も巧妙で複雑な動きをしているため、もともとデリケートな構造をしています。この複雑な動きを重い体重を支えながら行うので、膝には常日頃から、たいへん大きな負担が加わっています。しかも、股関節などが太い筋肉でがっちり保護されているのに対し、膝関節は強力な靭帯で結びつけられているものの、外側をおおうような筋肉はごくわずかです。そのため、常に外からの力で傷害を受けやすい状態にあります。スポーツのし過ぎで膝を酷使したり、老化によって筋力が衰えたり軟骨が摩滅したりすると、膝に傷害がおこることになります。

〈膝の痛みに腰痛の影あり〉

膝の障害が原因で腰にストレスがかかって腰痛になるケースがあり、また逆に腰の障害が原因で姿勢が悪くなり、その結果、膝の痛みを訴える人もいます。こういった人は腰の治療を続けるうちに膝に痛みがなくなることがあります。

〈慢性の膝の病気〉

膝の慢性の病気というのは、関節が長い年月ですりへったり、また初期の軽い膝の障害を放置していたためにおきるものと、原因不明のものがあります。原因不明というのは、本人は膝に悪いことは何もしていないのに関節がむしばまれるような病気です。

慢性変形性膝関節症、慢性関節リュウマチ、半月損傷などが代表的な膝の病気です。

〈膝が悪くならないための対策〉

● マッサージをする

膝の曲げ伸ばし行う筋肉の疲労をとります

ふとももの前面の大腿四頭筋、腓骨筋、膝蓋骨周辺のこりをとり、緊張し張った筋肉を和らげます。膝を曲げると痛む場合は、膝の裏にある膝か筋と膝裏に近いふくらはぎの疲労と緊張を和らげます。

● 大腿四頭筋を鍛える

ふともも(大腿四頭筋)を強化することが重要です。

トレーニングの方法で井上和彦先生と福島茂先生(『ひざの痛い人が読む本』講談社)がすすめる「セッティング法」のひとつを紹介します。

仰向けに寝て、または足を投げ出して座って、膝のうしろに薄い枕やタオルをまいた物を置きます。そして膝をゆっくりと完全に伸ばそうとするようにして、静かに大腿四頭筋を10秒ほど収縮させます。このとき、足首や股関節に少しでも力がはいっていたら筋肉痛がでやすくなりなります。関節を動かさないで筋肉を収縮させる要領です。そのときに膝の裏がタオルをそっと押し付けるのがわかると思います。膝のお皿を引き上げる感じがコツです。けっして膝の下のタオルを押す運動と誤解しないください。

一回で運動する回数を30回として、1日3セット以上(最低100回)を基本として、徐々に回数を増やすようにしてください。膝を完全に伸ばすのが重要で、膝を伸ばしたまま10秒間保つことで筋力強化します。

焦らずゆったりした気持ちで一日も休まずに長く続けてください。一日でも運動を休むと筋肉は元に戻ろうとします。今日はやって明日は休みという「やりだめ」ではできません

膝を完全に伸ばしたままの状態で、ゆっくりと10まで数える10秒間の静止がたいへんに大切ですから必ず守ってください。早くせっかちにやっては効果なしです。ポイントは10秒間の静止と継続です

〈膝をいたわる三つの基本〉

  1. 基本は膝を冷やさない(急性の場合は原則的に冷やす)
  2. 膝に負担をかけない(安静にする)
  3. 膝を支える筋肉を鍛える

〈治療の目安〉

立ち上がりや動き始めに痛みが生じ、膝に力が入らない。

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